2.ガラスを切るという言葉には違和感があります。
  スコアーを入れる、割る・・この二つの動作で1つのガラスが2つになるのです。いかに上手にスコアーを入れても、下手に
  割ったら、元も子もありません。割り方のほうが難しいのです。

   なぜ油をつけて切るのかという疑問がわきませんか。
  ダイヤモンドカッターは300〜500g位の力を入れてスコアーを入れます。
  ダイヤモンドカッターはガラスの表面に傷を付けて割ります。
  TC-100Aは3Kg位、TC-10は5Kg位の力を加えて、ガラスの表面にヒビをつけて割るのです。

   オイルカッターの刃はホイール(車輪)で、潤滑油が必要です。油は刃先の保護にもなりますが、一番大事な目的は
  ホイール状の刃でヒビをつけた隙間に油を流し込まないといけないからです。ヒビの隙間に油が入らないと、時間がたてば
  ガラスについたヒビが奥の方からまたくっついてしまう性質があります。ガラスにとって油は不純物なので、くっつき
  にくくなるのです。ガラスは固体ですが液体のような性質も持っているから不思議です。
  オイルカッターでスコアーをつけたなら、慌てる必要はありませんが、なるべく早く割ってしまいたいものです。
  時間がたつほど、油のしみこまない奥の方は再びくっつき始めますので、割れにくくなります。

   オイルカッターの3Kgとか5Kgとかの力の入れ加減は、ガラスの硬さによって違います。
  ココモを切る場合と、オセアナの時は違います。またカッターが新しいときと古くなった時でも違います。
  このような理由で、切るときの音が目安とはいちがいに言えないと思います。
  やはり経験をつむしかないのです。自信がつくまで端材ガラスなどを使って練習をしましょう。

3.力を加えれば良いという物ではないのです。
  加えすぎるとどうなるか説明します。
  ガラスの断面に対して縦に浅くてもシャープなヒビを一筋入れれば、ガラスは予定(スコア)通り割れます。
  力を加えすぎると、余分なヒビが入ります。7〜10Kgも加えると横に走るヒビが入ってしまいます。
  こうなると致命傷で、半田付けの熱が加わったとき等に、そのヒビが伸びてきます。ショックを与えた覚えもないのに
  ピースが1枚割れていた経験がある方も多いと思われますが、原因はこれなのです。


連載 第6回
2008年8月14日 古塚怡佐男 
加工編  ガラスの切り方、割り方

第6回はガラスの切り方、割り方です。

1.MCR教室で行っている切り方を説明します。
  もしあなたが切られている方法の方が良いと思われたら、笑ってすませてください。

4.直線の切り方
   定規はどんな方法でも良いから、作業台に固定してください。
  カッターは直線用を使用してください。(TC-10は曲線用です)幅の広いものです。
  ガラス屋さんはガラスの上に定規を置いて、その上を左手で押さえて切っていますが、それはダイヤモンドカッターを使用し
  直線切りに慣れているプロだから出来る芸当です。
  定規の下はガラスです。親指と中指が広がる長さは2点で押さえられますがそれ以上は、定規が動いてしまう確率が高く
  なります。
  手作りの素材ガラスは厚み、平面度もそろっていないし、価格が高いこともあって気持ちの上でもなかなか押さえきれない
  ようです。
  定規が動いてしまうと、まっすぐに切ることなど出来るわけがないのです。
  カッターの使い方ですが、直線は手前に引いて切り、曲線は向こうに押しながら切るのがコツです。
  体験すると分かります。

   上が原型

下が斜線部分を
カットした改造型

ご意見、ご感想があれば、是非こちら(メール)でどうぞ。
お待ちしております。
本記事は不定期ですが連載します。ご意見、ご感想を募集しています。

   オイルカッターはトーヨーTC-100Aを改造して使用しています。
  このカッターは本来は直線用です。ステンドグラスは曲線が多いため、オリジナルのままでは使いにくいので、曲線にも
  使えるように改造して使っています。直線、曲線兼用で使えるようにしました。写真1 上が原型、下が斜線部をカットし
  カッターの刃の位置をわかりやすくし、曲線切りと兼用にしたもの)
  これ1本ですべてに使えます。ただ、この兼用カッターにも一つ欠点があります。
  本来、TC-100Aは柄に油を入れないで、毎回油をつけて使用するタイプです。刃先にスポンジがついており、1回で1m位
  切るのには足りていますが、改造したことによりこのスポンジがとれやすくなります。器用な方なら、スポンジの再取り付けも
  難しくはないと思います。
   このTC100Aカッターはよく切れて長持ちします。メーカーが開発した特殊合金の刃とその刃を支えている金属(砲金)が良い
  のだと思います。

写真1
曲線は押しながら切ります

直線は手前に引いて切ります